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アーサー王の騎士であるジェレイントは王妃グィニヴィアの供をして狩の見物に行き、途中見知らぬ騎士の一行に遭遇する。 彼らの素性を確かめようとしたジェレイントは従者の小人から侮辱を受け、王妃の許しを得て彼らを追跡することにする。
彼らを追って小さな街に辿り着いたジェレイントは、見知らぬ老人に宿を世話になり、娘のエニドに会う。ジェレイントは彼女に一目惚れする。 聞けば先の騎士は「ハイタカの騎士」と呼ばれ、この老伯爵のものであった城や財産を奪い、現在の廃墟のような住まいに追いやったという。 明日行われる馬上槍試合にこの騎士も出場するとの由、ジェレイントは伯爵から武具を借りて出場を決意する。 ハイタカの騎士を苦戦の末打ち破り、伯爵の財産を取り戻したジェレイントはエニドに求婚し、宮廷に戻って皆に祝福されつつ式を挙げる。
しばらくは幸せな二人であったが、やがてジェレイントは武勇を忘れ安逸を好み、部下や民衆から陰で誹りを受けるようになる。 そんな状況を悲しむエニドは、ある朝、横で眠るジェレイントの美しい姿を眺めつつ思わず涙する。 しかし目覚めたジェレイントはエニドの涙を、彼女が他の騎士を想って泣いているものと誤解する。 彼は自分が力を失っていない事を証明すべく、二人だけの冒険の旅に出る。
道中ジェレイントはエニドに自分の前を行き、一言も自分に話し掛けぬよう命じる。 しばらくエニドは従っていたが、暴徒が彼らを襲おうとしているのに気付き、彼に背いて危険を知らせる。ジェレイントはエニドに怒りつつも、敵を蹴散らす。 幾度かそうした事がありその度にジェレイントは敵を倒してきたが、美しいエニドに目を付けたリモース伯の大軍勢に襲われ、 どうにかその場を切り抜けるも遂に力尽きる。
エニドが落馬した彼を介抱しつつ途方にくれていた処を、通りがかった凶悪なドゥルム伯の一行が目に留め、二人は連れて行かれる。 広間に二人きりで取り残された間、エニドは泣きながらジェレイントの名を呼びつづける。 朦朧とした意識の中、ジェレイントは彼女の声を聞く。 「彼女は私の為に泣いている」
やがて宴会が始まりドゥルム伯はエニドに食事を勧めるものの、夫を差し置いてはと、頑として彼女は聞き入れない。 業を煮やした伯爵はエニドを平手で打つ。 エニドの悲鳴に息を吹き返し、我に返ったジェレイントは伯爵を一刀の下に切り捨て、彼女を救出する。 今や完全に誤解は解け、二人は仲良く一頭の馬に乗って城を去るのであった。
ジェミー・フリールは母親と二人暮し。彼の小屋から4分の1マイルほど離れたところにある古城は「小さな人々=妖精」の棲み家だと言われ、敢えてそこに行ってみようとする者は誰も無かったのだが、ある夜ジェミーは古城へ出向き、彼らに出会う。
ダブリンの街まで若い娘を攫いに行くという妖精たちに、ジェミーは同行する。首尾よく娘を攫った帰途、ジェミーは彼らを出し抜いて娘を奪還するが、その報復として娘は聾唖にされてしまう。ジェミーは彼女を連れ帰り、母親と共に彼女を養った。
一年後の夜、再び古城に向かったジェミーは、妖精達の会話から、彼らの杯で娘が音と声を取り戻せることを知り、またしても彼らを出し抜いてそれを奪う。ジェミーの活躍で再び聞こえ、話せるようになった娘は深く彼に感謝する。二人はその後、娘を失い悲しみに暮れていた彼女の実家に戻って結婚し、ジェミーの母親も迎えて幸せに暮らした。